なぜ争いがあるのだろうか。それは、仲間と敵がいるからですよね。当たり前ですけど。
だとしたら、争いをなくすために、仲間の定義を広げることができたらどうでしょう
ランカスター大学のレビンらは、イギリスのサッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のファンを学生から集め、#マンUへの想い を書いてもらった。
そのあと、学生は、「隣の建物に行ってください」と指示された。
途中、目の前で足をくじいて倒れる男性に出くわた(男性は演技)。マンUファンの学生が倒れた男性を助けるかを調べた。
倒れた男性がマンUのTシャツを着ていたとき、90%の学生が男性を助けた。宿敵のリヴァプールFCのTシャツを着ていたとき、30%の学生しか助けなかった。
#仲間は助けるが宿敵には残酷なんだね
次に、違うマンチェスター・ユナイテッド(マンU)のファンを集め、#サッカーへの想い を書いてもらった。
そのあと、同様に倒れた男性に出くわした。
倒れた男性が、マンUのTシャツを着ていたとき、80%の学生が倒れた男性を助けた。リヴァプールFCのTシャツを着ていたとき、70%の学生が助けた。
#どちらのチームも助けました
仲間意識が相手を助けるかどうかに影響することが分かった。
仲間の定義が書き換わると、宿敵が仲間に変化するマジックが起きました。
戦争では、自国と相手国は宿敵同士。
でも、地球人という仲間意識をもつ道を歩んでいけば、いずれマジックが起きますよね。
Levine, M., Prosser, A., Evans, D., & Reicher, S. (2005). Identity and emergency intervention: How social group membership and inclusiveness of group boundaries shape helping behavior. Personality and Social Psychology Bulletin, 31(4), 443–453.