将来世代のことを考える。
とはいえ、今の自分たちのことで精いっぱいになりがちです。
将来世代の幸せを願う人は、いったいどんな人生を歩んできたのでしょうか。

ノースウェスタン大学の研究グループは、イリノイ州に住むアメリカ人157人(55歳~57歳)に、1人あたり2~3時間かけて、その人の人生を深くインタビューをした。55%が白人アメリカ人、43%がアフリカ系アメリカ人であった。

将来世代の幸せを願う人に、よく出てきた人生のテーマは次の5つであった。

1.強み  

人生の早い段階で何らかの強みで目立つ

2.痛みの理解  

他の人の痛みや問題、社会の不平等などに気づく

3.価値観

宗教的、倫理的、政治的な価値観や信念をもつ

4.救われる体験

ネガティブな状況からポジティブな意味づけをし、救われた経験をする

5.よき人生ゴール  

他の人々や社会に貢献する目標をもつ

この157人にアンケートをとったところ、将来世代の幸せを願う人は、社会にいいことをしたいと思い、より幸せであり、うつ傾向が低かった。

また、アフリカ系アメリカ人の方が、白人系より、将来世代の幸せを願い、自分も幸せを感じていた。

人の痛みに気づき、自分もネガティブな状況から救われた体験をすることで、将来世代の幸せを願う心が育まれるようです。
面白いのは、白人の方が収入が高いのですが、アフリカ系アメリカ人の方が、将来世代の幸せを願い、より自身も幸せでした。

では、なぜそうなのか?
研究チームによれば、アフリカ系アメリカ人のコミュニティには、困難からポジティブな意味を見出す民話が伝承されているそうです。
民話で伝えられた物語に人は救われているかもしれませんね。

McAdams, D. P., & Guo, J. (2015). Narrating the generative life. Psychological science, 26(4), 475-483.