結婚すると幸せになるのでしょうか?

結婚人口の平均をとると、結婚当初は幸せなのですが、その後、幸せは落ちていくことが知られています。
#そうなのか…

結婚生活を幸せにするためには努力が必要なんですね。
では、どんな努力が必要なのかというと、そんなに大変でないかも、と思わせてくれるのがこちらです。

スタンフォード大学のGrossらの研究グループは、シカゴに住む夫婦120組を2年調査した。

発見

1年目は、経過だけを観察したところ、予想通り1年後の結婚の質は低下。

2年目に、次の7分の演習を3回行ってもらったところ、結婚の質は下がらず、横ばいとなった。

2年目に、この演習をやらなかった夫婦の結婚の質は、下がり続けた。

7分の演習

  1. パートナーと行き違いや対立があった出来事を思い出してください。うまくいくようにと思ってくれている第三者の視点で、この出来事を振り返ってみてください。第三者の視点をもつこの人は、行き違いをどうみますか?この不一致からいいことが生まれるとしたら何でしょうか?(3分)
  2. 第三者の視点は役に立ちますが、多くの人がこの視点に立つのを難しく感じます。とくに、相手と不一致がある最中に、あなたがこの視点にたつ難しさは何でしょうか?(2分)
  3. 難しかったとしても、人は第三者の視点にたつことができます。次の4か月間、ベストを尽くしてください。どのようにすればうまく行うことができると思いますか。この視点があなたのどんな助けになりますか?(2分)

この7分の演習を3回行った夫婦は、行わなかった夫婦に比べて、2年後に幸せになっていた。

パートナーから批判されると、それを批判で返す。批判合戦に陥り、これがエスカレートし、夫婦の仲が悪くなります。
#わかるなぁ

この負の連鎖を止めるのが7分の演習 というわけです。
7分×3回=21分の費用対効果は高いですね。

ポイントは、対立のさなかに、「思いやりをもった中立の視点」をとれるか、です。ただ、中立だけでなく、そこに思いやりをのせることなんですね。
この視点を育てることができれば、夫婦に限らず、家族、組織、さらには社会が平和になりますよね。

Finkel, E. J., Slotter, E. B., Luchies, L. B., Walton, G. M., & Gross, J. J. (2013). A Brief Intervention to Promote Conflict Reappraisal Preserves Marital Quality Over Time. Psychological Science, 24, 1595–1601.