チームメンバーがお互い思いやり、助け合うコンパッション文化は、弱そうなチームに見られるかもしれません。

しかし、最近の研究では、コロナ禍のような大変な時期は、むしろ、こうしたチームの方が強いことが分かってきています。

ウェストチェスター大学のノーランらの研究グループは、2020年コロナ禍の最中に、チームのコンパッション文化について、434人の社会人に調査をした。

チームメンバーがお互い思いやり、助け合うコンパッション文化の高いチームは、その1か月後、以下の特徴が見られた。

① お互い助け合う経験をより多くし、チームメンバーは自分もケアをしていた。
② 不安・鬱傾向が減り、心身がより健康になり、人生の充実感も増していた。#なんと

社会人357人に調査したところ、コンパッション文化が高いチームは、以下のアクションをより行っていたことが分かった。

コンパッション文化をつくるための実践

① お互いの成功・強みを認め、ハードワークに感謝する
② 問題はすぐに、オープンに、正直に向き合い、解決しようとする
③ 仕事に一生けん命だが、遊ぶときは遊び、仕事を楽しむようにしている
④ メンバーのライフイベントなどをみんなでお祝いする
⑤ チームとして意思決定をする
⑥ お互い仕事が大変なときは助け合う
⑦ 新しいメンバーが入ったき、オリエンを丁寧に行う

パンデミックに限らず、これからも想定外のことが起きますよね。こうした変化をしなやかに乗り越えるために、チームのコンパッション文化はますます重要になると思います。

コンパッションがチームの強さをつくりだすと言えます。

Nolan, M. T., Diefendorff, J., Erickson, R. J., & Lee, M. T. (2022). Psychological compassion climate: Examining the nomological network of perceptions of work group compassion. Journal of Vocational Behavior, 133, 103688.