戦争が起きています。

人はもともと自己中心的だから、社会が助け合うことを教えないといけないのか。
人はもともと助け合うのだけど、社会がそれをダメにしてしまうのか。

じつは、この問いの答えは出ているのです。

ハーバード大学のWarnekenらは、最近の研究をもとに、社会的な規範が教え込まれる前の小さな子供が、人助けをするかどうかを調べた。

人のゴールを助ける

大人が間違ってものを落とすと、14~18か月の乳幼児は、それを拾い大人に返すことをする。とくにご褒美がなくても、人を助けることが分かった。

リソースを共有する

小さい子供は、食べ物をもらえると、それをみんなで等しく分ける傾向がある。

役立つ情報を教える

大人がものを探していてると12か月後くらいの乳幼児でも、その場所を知っていると、ありかを大人に教える。

チンパンジーは、仲間を助けることはするが、リソースを共有したり、情報を教えたりはあまりしない。

人間はうまれつき、人を助け、リソースや情報を共有することが分かってきた。

すごくないですか。

僕らは小さいころ、誰に教えられることなく、人のゴールの手助けをして、リソースを共有し、有益な情報を教えることができていたのです。

社会の中で生きていく中で、これらが失われてしまったのかもしれない。
でも社会を変えれば、それを失わずに、そしてさらに育てていくこともできます。これは希望です。僕のいる教育業界は、まさにこの役割を担っていると思います。

Warneken, F., & Tomasello, M. (2009). Varieties of altruism in children and chimpanzees. Trends in Cognitive Sciences, 13(9), 397–402.