失敗したり、つらい状況のとき。
自分のことを肯定できないとき。
自分に自信がもてないとき。
このとき、「自己肯定感をもちなさい。自分に自信をもちなさい」というアドバイスほど、役に立たないものはないですよね。

どうするとよいか。
処方箋は、セルフ・コンパッション(自分へのコンパッション)です。

テキサス大学のクリスティン・ネフは、仏教にもとづいて、セルフ・コンパッションを3つで定義をした。

1. マインドフルネス

つらい気持ちをマインドフルに感じる

2. 共通の人間性

他人が同じ状況に置かれたら、同じようにつらいだろうなと感じる

3. 自分への思いやり

自分に思いやりと励ましの言葉をかける

セルフ・コンパッションの高い人は、うつ傾向や不安が低く、人生満足度が高かった。

セルフ・コンパッションの高い人は、自己肯定感が高かった。

自己肯定感が高い人は、ナルシスト傾向も高まってしまう副作用があるが、セルフ・コンパッションの高い人にはこの副作用が見られなかった。

僕はこの研究に衝撃を受け、博士課程で、職場におけるセルフ・コンパッションの研究をはじめました。

データをみると、セルフ・コンパッションの高い人は、仕事でもパファーマンスを発揮するのです。自己肯定感を持とうとすると、どうしてもエゴの肥大化が避けられません。

というのも、自分を肯定し続けたいので、自分の弱みや失敗から目を背けてしまうんですよね。ところが、セルフ・コンパッションはその副作用なく、結果的に自己肯定感を高めることができる道です。

自分へのやさしさを持ち合わせている人は、健全な自己を発達させることができると思います。

Neff, K. D. (2003). The development and validation of a scale to measure self-compassion. Self and identity, 2(3), 223-250.